バカ

なんて愚かな考えをしてしまっていたのだろう。恥ずかしいを通り超えて、ショックだ。好きともなんとも思ってなかった人にひどく振られたような気持ち、だと思っていた。けれど、そんなことだけはなく、自分も歪んだ考えをしてしまっていたのだ。才能がないから、音楽や詩をつくらないとか、つくっても意味がないとか、そういう次元にいる時点でおかしかったんだ。実は“自分自身”がそんな次元(才能がない人は創作活動してはいけないみたいな)にいたのか、と我に返って、少し目を覚ました。私がやりたい“つくる”ということにおいては、才能なんて関係なくて、やりたいことをただやるだけ、それだけだったじゃないか、と。そこにはどうしても才能ってものが付随してしまうから、と考え込んでしてしまって、これから何をしたらいいのか、心の中にぽかんと大きく深い穴が開いてしまっていただけだったんだ。通りすがりの人に「ブス」等と突然悪口を言われて、それに傷つく。そんなようなことだったんだ。当たり前の話で、そのことばにとらわれる必要なんてものはなかったのに、気にしてしまっていたのは、とても愚かなことだった。

ことばを文面通り受け取ってしまうことや、そのことばたちが自分という人格の中に土足で入り込んできてしまい、その度に自分の中身がぐちゃぐちゃ、ぐにゃぐにゃに変えられてしまう特性が私にはあるから、いちいちそれを繰り返してしまっていたら、これからきっとずっと生きづらい人生になっちゃう。だから、そうならないための対策が必要だ。じぶんという軸がちょっとのことではブレないように。でも具体的な方法が今ハッキリとは分からないというのが本音で、なんとなく言えるのは、本当の意味で人と“関わること”が大切だよな、ということだ。これは私にとってはってことで、ひとりぼっちでも、自分に軸がある人はしなくても大丈夫なことだと思うけれど。でも、自分がない、なんにもないってのは悪いことだけじゃないはずだ。それを生かすことができる気もしてる。